耐震強度の偽装事件に思うこと。

まさひとです。こんにちは。

 

このところ、週末になると雨が多いです。何故だろう?雨の中の山登りも、たまには良いけれど、毎回雨だと躊躇してしまいます。

 

 

 

さてさて。先日、以下の記事を読んだもので、ちょっと思った事を書きます。

 

長谷川豊さんの与太記事について: やまもといちろうBLOG(ブログ)

 

 

 

まず。こういう個人の意見をブログへ書く際には、本当なら、事実関係や法律とか話の基礎から書く方が親切なのかも知れませんが。姉歯氏による耐震強度の偽装は、社会のあちこちへ大きな衝撃を与えた事件で、実際に多くの報道やまとめが世の中にはありますし、とりあえずここでは、ひとつリンクを貼るだけにとどめておきます。

 

構造計算書偽造問題 - Wikipedia

 

 

 

それで、以下は私の感じた事なのですが。

 

 

 

1)そもそも耐震強度の偽装とは、いわゆる姉歯物件だけなのだろうか?他の物件は、みんな耐震強度が大丈夫なのだろうか?

 

そんなはずがない、のです。意図的な耐震強度の偽装は、姉歯物件の他にも一定の割合で世の中に存在しているだろうし。また、意図こそしていないけれど、ミスや勘違いの設計とか施工不良で強度が最初から不足している物件だって、一定の割合で世の中には存在するはずです。間違いなく。

 

 

 

2)もっと言えば。木造ならシロアリとか、鉄骨なら腐食その他によって、耐震強度が現時点で足りなくなっている物件も、世の中には一定の割合で存在しています。建てられた時には耐震強度が足りていたけれど、その後に耐震強度を失った物件です。

 

こういう物件は、違法に存在している訳ではありませんので、念のため。

 

 

 

3)更に言えば。現在の基準では耐震強度が足りていない物件も、過去には建てられてきていて、それがまだまだ多く世の中には存在している訳です。建てられた当時は、まだ違法ではなかったり、基準が決まっていなかったなどでセーフだったとしても、現在の基準ではアウトになった物件です。

 

そういう、ずっと昔に建てられていて、現在の基準では耐震強度その他でアウトな物件でも、建てられた当時はセーフだった物件は、それじゃあ姉歯物件と比べて危険性が何か違うのかと言われたら、耐震強度が足りていないという本質において特に違いは無く、危険性は同じです。ただし、違法に存在している訳ではないです。

 

 

 

4)もちろん姉歯氏とか国家資格を持っている様な人とか建築会社は、耐震強度を結果として引き下げる事にもつながるときちんと理解している訳ですから、例えば鉄筋を間引きしたとかコンクリートの水を増やすとかやっていたら、まさしく言語道断であって、厳しく責任は追及されないといけません。

 

とはいえ。姉歯氏とか関連の建築会社など、メディアから悪い奴とレッテルを貼られた何人かだけを倒せば世の中が安心で安全になるのか?って言われたら、そこははっきりと違う話だから。違法に耐震強度を偽っている建築会社は、他にも間違いなく存在しているし。違法ではなくても、耐震強度の足りていない物件は存在している。

 

 

 

5)大事なことは、世の中には一定の割合で耐震強度の不足とか、危ない物件も存在しているし、どうしてもゼロにはならないけれど。しかしほんの少しずつであっても、世の中全体から安全な物件を増やして、危険な物件は減らしていく努力を続けていかなくちゃいけない、のだと私は思っています。

 

 

 

6)とは言え。耐震強度が不足している物件について、いくら違法に建てられている訳じゃないとしても、構わないから売り買いしようと言われたら、そこはやっぱり違うと思うのです。

 

私は、建築とか法律の専門家じゃないので、精緻な話は出来ませんが。やっぱり現時点で耐震強度の不足している物件については、なるべく速やかに補強工事とか建て替えされていく方が望ましいと、どうしても考えてしまうのです。

 

 

 

7)話を戻します。ここは、ちょっと表現が難しいのだけれど。そもそも建築物は、それ単独の安全だけを考えれば良いのかと言われたら、 そうではないから。もちろん建築物の耐震強度は足りていなくちゃいけないのだけれど、足りていない建築物は世の中から無くならないし、耐震強度以外にも危険な要素はあるのだから。

 

安全に生活を送るためには、個別の建築物の耐震強度というよりも、もう少し広い地域とか地区が全体として、安全なのかどうかの方が大事だと思う。

 

 

 

8)ここまで書いてきた話は、シートベルトで考えると、もう少し分かりやすくなるかもしれないと思いましたので、付け足しておきます。

 

 

 

シートベルトは、事故にあってしまったひとを必ず助ける物ではないです。あなたがシートベルトを付けていたとしても、事故にあった場合に、あなたが助かるとは限らないです。逆に、シートベルトを付けていなくても事故にあって、助かるひともいます。

 

とはいえ、世の中ではどうしても事故が起こってしまう以上は、みんながシートベルトを付けて、死亡率を全体として引き下げていけば、まわりまわってあなたも私も、世の中が全体として、より安全側になっていく。違うでしょうか?

 

 

 

たぶん耐震強度の問題も、シートベルトと同じだろうと私は思うのです。

 

世の中全体から、危険な存在を減らしていく事が大事だと私は思うのです。

 

 

 

もちろん大問題になったような、耐震強度の偽装なんて行為は言語道断であって、事件の真実を明らかにするとともに、関係者は厳しく処罰される必要性は理解しています。だけれど、メディアが悪い奴だと報道した人たちだけがどうにかなれば世の中が良くなる訳じゃないです。

 

そんなこんな事を、私は考えています。

 

 

 

いくら個人の資産だからといっても、例えば築60年を超えるような、明らかに耐震強度の不足している住宅や店舗などが密集している地域は、どうしたら良いのでしょうか?

 

消防車が入って来れない狭い道しかない地域は、どうしたら良いのでしょうか?